提言6 専門性を重視した採用・研修・人事異動をすすめます

 

(1)採用制度のあり方

 基本としては93年度の県特殊教育振興協議会の提言のように、「特殊教育教諭」免許保有者を採用する制度に改善させます。具体的には障害児学校教員採用試験を早急に実施させます。当面、免許を保有していない者については、採用後一定期間に免許を取得できるよう、認定講習等の体制を充実させます。

(2)障害児学校に限らず小・中・高校でも障害者の教職員採用を積極的に進めさせます

 その場合、障害を持つ教職員のニーズに応じた「職務補助制度(ヒューマンアシスタント)」を創設させます。また、研修を受けることや管理職への登用なども平等になるように条件整備をすすめます。

(3)研修について

 ?教員の自主的な研修を保障させます

 教職員を増やし教員一人あたりの授業の持ち時間を縮減させます。また,多忙化の解消を進め、教職員がゆとりを持って自主的に研修、教材の準備や授業の打ち合わせができるような態勢を確立します。教員の教育活動は、保護者の真の願いを捉え、子どもの成長発達を保障することにあります。したがって、教員の研修の意義もそこにあります。父母の教育的要求を真摯に受け止め、また、社会や専門分野の進展に合わせた研修を常に模索し、自主的な内容での研修を保障させます。

 ?制度研修を抜本的に改善させます

 初任者研修、民間企業研修などの強制的な研修を撤廃し、指定研修については自主・民主・公開の3原則による研修とするなど、民主的充実に努めます。また、希望研修については、教職員の希望を反映した魅力あるものに改善させします。

 ?教師集団が学びあい、成長を支えあう共同体となるように

 教師は、教師どうしの学びあいの中で教師として成長するといわれています。カリキュラムの作成、授業の創造や生活指導を中心とした集団的な研究が学校の中で絶えず行われるとともに、教師の成長に大きな役割を果たしている職場の仲間と学び合う時間を保障する必要があります。県教育委員会が各学校の自主的研究を推進し、支援する立場に立つようにさせます。当面、指定校研究方式は廃止させます。

 ?職場を離れた長期研修を保障させます

 当面、長期研修・短期研修者の枠を拡大させます。希望すれば、現職のうちに、最低1年間は職場を離れての研修が出来るようにさせます。大学院教育を希望すれば、この1年間の研修と2年間の職場に勤務しながらの研修とで大学院修士課程を修了することも可能にさせます。

 ?研修費は行政の責任で

学校の研修出張費は大変少なく、学校を通じて案内されている研修会にもなかなか出張が認められません。また、障害児教育に関する研修会は県内、県教委の主催では少なく、専門性の向上のためには他県や民間の学習会に参加しなければなりません。さらに、多くの教員が情報機器や書籍などに膨大な私費を投じています。こうした費用は研修費として公的に保障することが必要です。

(4)専門性を重視した人事異動を推進します

?希望に応じた人事異動を積極的に推進します。当面、盲・ろう学校・養護学校とも、同一校年数制限を撤廃させます。

 ?配置にあたっては障害種別の免許保有要件を明確にし、免許を重視した人事異動を行うようにさせます。当面、現在障害児学校に勤務している教員や小中学校・高校などからの転任者で、「特殊教育教諭」免許を保有していない者については、一定期間に免許が取得できるよう、認定講習等の事業を充実します。

 ?通常学級に学ぶ特別なニーズ教育を必要とする子ども達の教育保障という視点から、また障害児学校が地域の障害児教育のセンターとしての機能を充実させるという視点から、通常学級・障害児学級との人事異動による人事交流を積極的に進めます。

 

  

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